小さな飲食店の店主セイが、
ヒマな時間に経営に役に立ちそうなことを書いています。
今日は「かき氷を始めるお店がすぐに閉店してしまう理由」です。
この記事を書いているのは6月なのですが、
そろそろかき氷が食べたくなってくる季節ですね。
以前は、”果物屋さんが余ったフルーツを使って出すかき氷”みたいなのが流行っていましたが、最近では”氷にこだわるかき氷屋”、”機械にこだわるかき氷屋”のように『かき氷専門店』というのもよく見かけるようになりました。
セイの家の近くにも去年できた「かき氷専門店」にも毎日のように行列ができています。
さて、
そのように暑い時期にはかき氷は食べたくなるものですが、
セイが街を現付けで走っていていつも気になっているのが、
突然かき氷を始めるお店です。
街を歩いていて、
「なんかあの店かき氷始めたな。前あったっけ?」
というお店はありませんか?
カフェ・喫茶店ならまだいいのですが、
飲食店で、これまでかき氷を扱っていなかったのに、
急に入口に「かき氷の旗」がはためき始めるお店がもしあったら、
それはもうすぐ閉店するきざしだなと思うようにしています。
その理由は、、、
メニューが迷走している証拠だからです。
お店を始めるときには、
勝算があって始めたメニューが、
思ったより売れなくてお店が立ちいかなくなってきた。
どうしよう。。。
新しいメニューを始めたけど売れないし・・・。
どうしよう。
どうやったら売上があがるんだろう???
どうしよう。
そうだ!
かき氷を始めよう!!
そうです。
そういう状態になったときに、
始めやすいのが「かき氷」なんです。
こだわらずに始めるなら、
設備投資もあまり必要ありませんし、原価もあまりかかりません。
おそらくそこそこ売れると思います。
ですが、
お店に貢献することはないでしょう。きっと。
それは単価が低いから。
そして、
お店の他のメニューと整合性がとれていないから。
お客様にとって、
お店に入ってから出るまでの統一感というものはとても大事で、
少しでも違和感を感じられてしまうと、
「理由はわからないけれどあの店いまいちだったな。」という感想を持ってしまいます。
「かき氷だったら、そんなに違和感でないでしょ。」
「原価も低いし別にいいじゃん。もし売れたらそのまま売上のプラスになるし。」
と思うかもしれません。
ですが、
そのような安易な考えこそが、お店の閉店への道につながっていくと考えています。
『かき氷』というのはあくまで象徴的なイメージにすぎませんが、
お店のイメージ・統一感をしっかりと維持していくために安易な手は打たない。
お店をつづけていくためにとても大切なことだと考えています。
今が苦しくて、とりあえず売上がほしいんだよ!!
という方、
かき氷を始めることは止めません。始めてもいいです。
その代わり、
最低でもお店のイメージと合うメニュー展開をする。
ということをしっかりと考えて展開するべきです。
例を挙げるなら、
エスニックのお店であれば定番のイチゴソースだけではなく、
トロピカルフルーツを載せたものを用意する。など。
そうするとおそらくですが、フルーツのロスが出てきてしまいます。
その結果ですが、
そのフルーツをさばくためにどうしよう?
そのフルーツどのメニューに載せよう?
そのフルーツを使った新しいメニューをはじめようかな?
といった感じで、今まで使っていなかった頭を使うようになります。
そしてさらにその結果メニューの改善がすすんで、
かき氷は本当に必要か???と思うようになってくるはずです。
(もし本当に必要であれば、その時こそ続けるべきです。)
これらのことから言えるのは、
はじめから頭を使っていれば、
統一感をもったままお店の改善がすすみ、
かき氷を始めなくても良かったはずなのです。
もちろん、
その場しのぎが必要な場合もありますし、
やってみてやめればいい、ということも大事です。
ですが、
お店を長い間続けていくためには、崩してはいけないものがあります。
今をしのぐために安易なものに手を出すか?
それとも、ずっと続けていきたいのか?
それを念頭に入れてべきです。
そうならないためにも、
常々メニューの見直しなど、やれるこをやるという、
こころがけを忘れないようにしていきたいものです。
『それでも、”かき氷”はじめますか?』