飲食店コラム

客単価を上げる方法『松竹梅の法則』

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「客単価はどうやってあげるか?」

 

飲食店を経営していると悩むことのひとつです。

 

なかなか客単価って上げられないですよね。
ただ値段を上げると、イメージが悪くなって客数が減りそうで・・・。

 

 

ということで今日は、

当店が実際にやっている、

「”メニューづくりを工夫して”客単価を上げた方法」

について書いてみようと思います。

この考え方を取り入れたことにより、
開業当初は800円台だったランチタイムの客単価が、
いまでは平均1,080円近くまで上げることができています。

客単アップに悩む方の参考になればと思います。

 

客単価を上げるためにまずやることは・・・

 

それでは、
当店では一番効果があった”ランチタイム”のやりかたについて・・・

 

まずはいきなりですが、

 

メニュー表の2、3番目くらいに目立つ場所に、
すぐに1,890円のセットメニューを追加してみてください。

 

それだけで客単価を上げることができます

※このメニューが売れるというわけではありません。

ちなみに、
お店はランチ客単価1,000円以下のお店をイメージしています。
追加するのは平均の1.8倍くらいをが目安です。

 

 

セットの内容は豪華なら何でもいいです。

とりあえず見栄えがして、自分が思うより高いと感じる値段に設定する。

実際はもっと値段は高くてもいいかもしれません。

 

そのメニューがあることによって客単価は自然とあがります

 

 

「松」のメニューで客単価が上がる理由

 

1,890円メニューを増やすと客単価があがる理由・・・

 

それは、

 

人間の”まんなかを選びやすい”という心理・習慣を利用しているためです。

 

「松竹梅の法則」真ん中を選ぶお客様

 

 

人間は(特に日本人は)モノを選ぶさいに、まんなかを選ぶことが多いそうです。

 

一番安いメニューだと物足りない。

でも、

高いメニューだと割高に感じる。

ということで、、、

まんなかのメニューがちょうどお手頃に感じられてなんとなく注文してしまう。

 

飲食店のメニューの限らずですが、
こういったことって心当たりありませんか?
自分はけっこうあります。

 

このように、
”なんとなく、まんなかを注文してしまう”こと。

これを「松竹梅」の法則と言っています。

 

初期の当店のランチメニュー

 

ほとんどの個人店のランチは、
価格が1,000円かそれより安い場合が多いのではないでしょうか。

 

当店も最初は、

  • 800円
  • 1,000円
  • 1,390円

の価格ラインで営業をしていました。

1,390円が一番高いランチメニューでした。

 

そのなかで当然一番よく出るのは750円のメニューですが、

初めてライタンされた方の多くは1000円を頼むことが多かったです。

理由は、
(しつこいようですが、、、)

松竹梅の法則の結果です。

なんとなく選ぶ人は、
なんとなくまんなかを選ぶようです。

 

800円中心に真ん中が1,000円という事で、
客単価平均は800円台を越えることがなかなかできませんでした。

 

そして、

客単価向上を考えるなかで導入したのが

1,890円メニューでした。

 

改定後の当店のランチメニュー

 

客単価向上のために当店で実際に変更したのは、、、

 

  • 850円
  • 1,050円
  • 1,390円
  • 1,890円

 

の価格帯に変更しました。

 

これまでの流れもあり、
急に全ての値段を変更はできませんでした。

・1,890円を新しく作った(今回のポイントです)
・800円を850円に値上げ
・1,000円を1,050円に値上げ

以上の点を実行しました。

 

この価格帯に変更したあとどうなったかというと、、、

 

松竹梅の法則のとおり、
まんなかの価格帯が1,050円と1,390円に移ったので
1,390円のメニューも今までよりも多く出るようになりました

 

結果として、
じわりじわりではありますが、
客単価の平均も1,080円を超える
ようになりました。
(もちろんある程度の時間はかかっています。)

 

やったこといえば、
メニュー内容はほぼ変えずに、1,890円の導入と少しの値上げをしただけです。

 

松竹梅の法則で感覚が調整される

 

1,890円メニューがあることにより、

1,390円メニューも安く感じるようになります。
(それは1050円はなおさらです。)

この結果”竹”である、まんなかの価格帯の
1,050円と1,390円のメニューがでる量が増えます。

 

 

1,890円メニューの導入により自然と価格帯の底上げができる

 

これが1,890円メニューを導入すると、客単価が上がり売上が上がった理由です。

 

ちなみに幸運なことに、

本当は”見せ”メニューだったはずの1,890円メニューも、
内容が豪華なためか時々注文してくれる人がいます。

これは意外なメリットでした。

 

 

「松」メニューをつくる際に気をつけたこと

 

価格が高いメニューを増やすだけ
とはいうものの、
メニューを変える際には気をつけたことももちろんあります。

 

どのようなことに気をつけるか?

 

 

1、自分が思っている以上に高い価格のメニューを導入する。

2、まんなかのメニューにオーダーが集まるようにメニュー配置の見直し。

こういった点です。

 

1、自分が思っている以上に高い価格のメニューを導入する。

 

このブログでは1,890円を強調していますが、
実は最初は1,690円にしようと思っていました。

ですが、
思い切って1,890円にすることにしました。

これは良い決断だったと思います。
中途半端なメニューをつくるよりも、
メリハリをつけることが大事だと実感することができました。

 

2、まんなかのメニューにオーダーが集まるようにメニュー配置の見直し。

 

価格が高いメニューを作ったあとは、
一番売れるであろう真ん中の価格帯のメニュー配置の見直しをしました。

 

メニューをてにとって目に入る順番としては、

1,390円

1,050円

850円

1,890円

というような感じです。

 

それと同時に、
忙しい時間帯でも対応できるように作業の見直しもしました。

 

やることのまとめ

 

もう一度やることを具体的にまとめると、

①1,890円メニューをつくる
(今までの倍くらいのメニューをつくる。)

②1,050円のメニュー配置を見直す。

それに加えて、

③一番安いメニューは止めず、少しだけ値上げする。

内容はほとんど変えずに、
”印象を操作”して客単価向上につなげました。

 

既存のメニューをいかすことにより、
”値上げ”というイメージも避けることができました

 

 

考え方を変えただけで客単価を上げることができました

 

松竹梅の法則を導入したあとに感じたことですが・・・

 

結果的に見て、
高く売れるはずのものを、ただ安く提供していただけ・・・
ともいえる内容でした。

 

 

「1,890円のメニューをつくる」

 

というとおそらく、

 

「そんな高い値段のメニュー出ないから意味ないよ。」

 

そう思うと思います。

 

ですが、
そのメニューは出なくても大丈夫です。

その高いメニューがあることにより他のメニューが安く感じられて、

結果的に客単価が上がります

 

 

”客単価を上げる”というと、

 

・商品の値段を上げる
・もう一品注文してもらう

 

この2つだと思いがちですが、

今日書いたようななやり方でも客単価を上げることができました。

 

「飲食店のセオリー」というものも見直していく必要があるのではないかな?
とも最近は感じています。

 

 

自分も開業当初は
”安くないとお客様は来てくれない”
そう思ってしまっていたこともありました。

 

ですが、
個人店を継続していくためには安売りでは勝負できません。

このように、
考え方を変えて結果につなげていくという方法をとることが、
個人店の継続につながっていくのではないかと思っています。

 

 

せっかく一生懸命つくっている料理ですから、
価値を下げたくはありませんよね。

値段を上げるということは、
自分のお店の商品の価値を上げることにつながります。

その方法のひとつとして、、、

今回の「松竹梅の法則」は利用できます。

 

 

もちろん、そのお店ごとのそれまでの流れがあるので、
価格をいじる際には慎重にやる必要はあります。

もしやったことがうまくいかなかくても、
ただすぐに止めればいいだけです。

 

高いメニューを1つつくるだけ。

名づけて「松竹梅の法則」作戦。

 

いますぐにでもできる客単価アップの方法です。
とりあえずでもやってみてください。

 

飲食店未経験でもやれた、お店を黒字にする方法のひとつです。